やる気を出した子一等賞

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福本伸行先生の「零」の魅力と面白さ

福本伸行先生の「零」の魅力と面白さ

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「カイジ」や「アカギ」の作者であるあの福本伸行先生の作品「賭博覇王伝 零」がクソ面白いので、その魅力を語っていきます。

※当記事は
「零 魅力」
「零 面白さ」
「零 ギャンブル」
などのワードで検索される方におすすめです。

これから語る魅力の中には、もしかしたら「零」に限らず福本作品全てに言えることかもしれませんが、それでもあまり下調べせずに書きます。

「賭博覇王伝 零」とは?

福本伸行の作風が色濃く出たギャンブル漫画である。ただし、少年漫画誌である『週刊少年マガジン』での連載と言う事もあり、暴力表現は(他の福本作品に比べれば)やや抑え気味になっている。前作である『無頼伝 涯』が打ち切りになった原因を、ストーリー展開に時間をかけすぎたためと分析した作者の考えから、ひとつのエピソードにかける話数が短くなっている。また、ギャンブルに至っても他の福本作品のギャンブルよりは謎解きの要素が強い。

引用:賭博覇王伝 零 – Wikipedia

作風の特徴としては、カイジやアカギで躊躇だった「引き伸ばし」があまり無いところです。
それでも引き伸ばしがあるにはありますし、特に続編である「零 ギャン鬼編」では恐ろしく話が進みませんが、それでもアカギなどの「連載10年間で作品内では一晩しか経ってない」というようなことはありません。

しかも零は多種多様なオリジナルギャンブルのオンパレードで、ひとつひとつがかなり面白いです。
やっぱりギャンブル漫画は「ギャンブル漫画」というジャンルであれど、オリジナルのゲームを用意して、その中で必殺の策を作り出すという展開が胸熱です。

麻雀などの既存ギャンブルを題材にした作品はあまり好きでは無いですね。
そもそもルールも複雑だし・・・。

「賭博覇王伝 零」のあらすじ

義賊として世間を騒がせた少年・宇海零とその仲間は、大富豪・在全無量が建設中のギャンブルと遊園地の融合施設「ドリームキングダム」に呼ばれる。在全が全財産を賭けて参加するギャンブルの代打ち、すなわち王を求めている為、零や他の者たちが集められたのだった。賞金1000億円で振り込め詐欺の被害者全てを救う為、王を目指して園内のギャンブルに挑戦する零だが、そこは生命を、精神を、肉体を賭ける究極のギャンブルばかりだった。

引用:賭博覇王伝 零 – Wikipedia

「ドリームキングダム」という遊園地みたいな施設があり、その中で繰り広げられるギャンブルゲームというかもはやアトラクションを、知恵と知識を駆使してクリアしていくという内容です。

だからどのゲームもほとんど「親と子」の戦いとなるため、カイジの「限定じゃんけん」のように、プレイヤー同士のつぶし合いはあまり見られません。

しかも「親」となる各アトラクションのゲームマスターは、ほぼ全員イカサマを使ってきます。
そのため、プレイヤー達はかなり理不尽な状況でのプレイとなるのですが、そのイカサマでゲームマスターは首を絞められます。
その辺りのカタルシスも零の魅力であり、ギャンブル漫画の王道的展開です。

零に登場するギャンブルが最高に面白い

零に登場するひとつひとつのオリジナルギャンブルが最高に個性的で面白い。
トリックやギミックもしっかりしており、逆転のカタルシスも半端ないものばかりです。

全部は紹介しきれませんが、記憶に残っているものをネタバレ込みで紹介していきます。

登場ギャンブル①鉄球サークル

まずドリームキングダムに入場するための入場試験ギャンブル「鉄球サークル」からグイグイ引き込まれました。

主催者がサイコロを振り、目が出る前にサイコロに蓋をかぶせる。
さてこの目はいくつか?1番から6番までサークルを用意しているので、どの目が出たか推測して、制限時間内にその番号のサークルの中に入りなさい。
全てのサークルの頭上に超重量の鉄球を用意しており、このサイコロが出した目以外の5つのサークルの鉄球は落ちてくる。
しかし、”サークルに入った”という勇気を免じて、サイコロの目を当てずともサークルに入りさえすれば入場券は与える。

このルール説明に対してプレイヤー達は、「ふざけるな!権利をもらっても鉄球食らって死ぬじゃねぇか!」と暴言を吐くが、補足的に言われたこの「サークルに入りさえすれば入場券は与える」こそ、このゲームの最大の肝でした。

結論を言うと、鉄球サークルは何も考えずにチャレンジするとただの運ゲーです。
しかし、ルール説明をしっかり聞き抜かりなく観察していると、間違いなく生き残れる究極の頭脳ゲームです。

しかも、その為に「東大レベル」な知識は必要ありません。
しっかりと観察さえしていれば、本当に知恵だけで乗り越えられるところも凄く良かったです。

やはりこの手の「デスゲーム」まがいのギャンブルは、負けた時の代償やリスクも面白くないといけません。
今回の場合、「天井から鉄球が降ってきて圧死」というのがリスクです。

一度デモンストレーションで鉄球を落としますが、これもヒントの一つでした。
というのも、どんなに重い鉄球が落ちてきても、必ず”隙間”ができるからです。

鉄球サークルの肝はこの”隙間”で、サイコロの目はほぼ関係ないゲームでした。

サイコロの目など最初から関係なく、サークルに入って、そのフチにしゃがんでいれば鉄球の直撃はかわせます。
この事に気付くだけで良かったのです。

しかし、サークルは柵で囲まれています。
もし大多数の人間が同じサークル内にまとまって入ったら、隙間を確保する余裕がなくなり、全員が圧死します。
この辺りのユニークさ、ギミックも素晴らしいなと思いました。

実際このギャンブルは、主催者の工夫により、「2」番に人気が行くよう仕向けられていました。
どこまでも抜かりないゲームの運び方が本当福本先生らしくて気持ち良いです。

代償は指「ジャックルーム」

親は「指切りジャック」
このゲームで勝利したら手に入る「プレイヤーの指」をコレクションしている。

プレイヤーとジャックは1対1で自分の指をかけて戦う。
プレイヤーにはそれぞれ、指を保護するための「細長い12枚の鉄板」と、右か左どちらかの手をセットする「指入れ台」、そして勢いよく振り下ろすことで相手の指を切り落とせる「ノミ」が与えられる。
守備が指入れ台の中に手を入れ、攻撃側がそれをノミで突き指にヒットすれば勝利となりゲーム終了。

指入れ台の各指には鉄板がセットできるようになっています。
だからノミで突かれても、鉄板でガードしていれば指は切断されずに済みます。
全部で3ゲームあるのに鉄板は12枚しか使えません。
つまり、どこかで必ず指を晒さないといけません。
そして攻撃側は、その晒された指がどれかを推理するゲームです。

この”駆け引き”も面白いですね。

例えば1ラウンド目で鉄板を2枚しか使わず、もし奇跡的にそれを乗り越えれば残り10枚の鉄板で2ラウンド、つまり100%生き残れます。

しかしやはりバランスを考えると4枚ずつ使うのが現実的です。

零は初戦後攻で、鉄板を4枚使用しました。
しかし指切り上級者のジャックは、上手い具合にゆさぶりをかけます。

「裸の指は親指かな?薬指かな?」
「今後のことを考えると最初から親指を裸にする奴は少ない」
だとか、いろいろ言って零を惑わせてきます。

しかし零も究極の勝負師。
顔色ひとつ変えずにポーカーフェイスを貫きます。

この心理戦の中で一番好きなやり取りが、「ジャックが狙いを変える瞬間」です。
零がどの指を晒していたか忘れましたが、ジャックが「薬指が怪しいな」と言った時、確かに零は薬指を晒していました。

その後ジャックは「やっぱり薬指は違うな」と言って狙いを変えますが、この時凡人なら一瞬ホッとした表情を浮かべます。
その安心感を引き出す事がジャックの狙いでした。

しかし零は顔色ひとつ変えずに、守備側というのに逆にジャックを翻弄し続けました。

この辺りの心理戦、駆け引きの面白さもジャックルームの魅力ですが、実はこのゲームの勝利条件は全く別のところにあり、それは「ジャックのイカサマを見抜くこと」でした。

零は最初から、指を晒すというリスクを冒す必要は無かったのです。
そして零の「イカサマの暴き方」もかなりユニークでした。

それはちょっとここで説明する体力は無いのですが、「鉄板の縦入れ」という「意外な方法」で零はイカサマを確実に見抜きます。

この「鉄板の縦入れ」というアナログで簡単な方法で大逆転する展開が大好きなんです。

迷宮のトライアングル

数学的な知識が必要となるギャンブルです。

※近日紹介予定

迷宮のトライアングル

数学的な知識が必要となるギャンブルです。

※近日紹介予定

21人と参加するゲーム「魔女の館」

集団心理をうまく表現したアトラクション。
ほんと、福本先生は心理描写を描かせたら横に並ぶ者はいません。

このゲームの好きなシーンは、まだゲームを開始する前に板倉が零に気を遣うところです。

魔女の館は独特なフィールド形状をしており、移動式の階段を昇り天窓を開けそこに入る必要があります。
まず最初に「俺が行く」と零が入場し、その後立て続けにすぐさまモブキャラが階段を昇ろうとします。

しかしここで頭のキレる板倉が、「一人ずつ昇れ」とモブキャラに指示を出します。
アホなモブキャラは「なんで??」と言いますが、「階段が揺れて危ねぇだろ!」と説明。
しかしモブは「いや、これ結構頑丈だよ?」と不思議そうに言い、ここで初めて板倉が本当の意味を言います。

「一人ずつゆっくり昇ればいいんだよ!そうすりゃ零の時間が増えるだろ!」

板倉や零は、ドリームキングダム内のギャンブルが以下に極悪か熟知しています。
そして今回、21人で参加するこのゲームの鍵が「零の頭脳」にあることも全員知っています。
零が一番最初にフィールドインしたのは、現場に誰よりも早く入ることで、ゲーム開始前に現場を観察するためです。
そして階段を1人ずつゆっくり昇ることで、「零が観察し推理する時間」が増えると判断しました。
これにより、若干ではありますがこちら側が有利になります。

こういう”頭脳派脇役の気遣い”がちょくちょく挟まれるのが作品としての零の魅力です。

正統派大逆転「ザ・アンカー」

ザ・アンカーで見られる大逆転は本当に熱く、心からカタルシスを感じました。

※近日追加執筆予定

福本伸行先生の「零」の魅力と面白さ – まとめ

ユニークなオリジナルギャンブルが数多く登場する「賭博覇王伝 零」。
僕はギャンブル漫画に「面白いオリジナルギャンブル」を求めていますので、それが大量に出てくる零は本当に好きです。
この手のギャンブルは、まず作者の頭が良くないとできません。

ライアーゲームもオリジナルゲームがたくさん登場するので大好きですが、最近(そこまで最近じゃない)では「アクマゲーム」という作品がかなり面白いです。

しかしライアーゲームもアクマゲームもどちらもライトな作風で、零のような重苦しい心理描写、負けた時のリスクの重さはありません。

ギャンブル漫画はやはり以下の3点が大事です。

①ユニークなオリジナルギャンブル
②負けた時の代償のユニークさ
③ちゃんと伏線を残しつつ、それでも読者に読まれない必勝法の存在

①の「ユニークなオリジナルギャンブル」は言葉通りです。
既存のゲームで”常識の範囲外の行動”を取ることは難しいので、シンプルで分かりやすいオリジナルギャンブルを登場させる必要があります。

②の「負けた時の代償」も、ただ借金を背負うとか、死ぬとかだけじゃない方が面白いですね。
零の場合、「迷宮のトライアングル」というゲーム内で、仲間の一人が円柱状の水槽の中で括りつけられ、「溺死」という形で死にます。
これは、「負けたら仲間が死ぬ」というだけでなく、その仲間がだんだん取り乱しパニックになっていくという状況を作り出すことにも成功しており、「ただ死ぬ」ということに比べ、ゲームの残虐性が増しています。

③の「必勝法」も言葉通りです。
ギャンブル漫画に限らずどの作品でも、「その手があったのか!」という予想外の行動に読者は心を奪われます。

ギャンブル漫画の魅力が詰まっていますので、カイジやアカギのような重苦しいギャンブル漫画を求めている方、そして、「嘘食い」や「賭けグルイ」のような、急展開でほとんどカタルシスを得られない勘違いしたギャンブル漫画に飽き飽きした方には本当におすすめです。

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