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【75点】「エクス・マキナ」の”その後”を考察・感想。

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ぱっかん
執筆者:ヘタレブロガーのぱっかん(@pakkan316

28日後」や「サンシャイン2057」の脚本を手掛けた「アレックス・ガーランド」の初めての監督作品「エクス・マキナ」を鑑賞しました。
いつも通りネタバレ無し情報を書いた後にネタバレしていきます。

まだ未鑑賞で、「とりあえず面白いかどうかだけ知りたい」という方は、「※ここからネタバレを含みます。」という文章の直前までを目安にご覧ください。

※関連記事は記事の最後でまとめて紹介します

※当記事は
「エクス・マキナ 考察」
「エクス・マキナ その後」
「エクス・マキナ アナイアレイション」
などのワードで検索される方におすすめです。

予告編(トレイラー)

作品情報

公開年2016年
原題 ex machina(訳:「機械仕掛けの神」等を意味するラテン語)
上映時間108分
製作国イギリス
監督アレックス・ガーランド
脚本アレックス・ガーランド
ジャンル SF、サスペンス
主要キャスト ドーナル・グリーソン(ケイレブ)
アリシア・ビカンダー(エヴァ)
オスカー・アイザック(ネイサン)
ソノヤ・ミズノ(キョウコ)
配信サイト・媒体 市販DVD
Netflix…他
※記事公開時の情報です

あらすじ・みどころ

世界最大手の検索エンジンで知られるブルーブック社でプログラマーとして働くケイレブは、滅多に人前に姿を現さない社長のネイサンが所有する山間の別荘に滞在するチャンスを得る。しかし、人里離れた別荘を訪ねてみると、そこで待っていたのは女性型ロボットのエヴァだった。

引用:エクス・マキナ : 作品情報 – 映画.com

〇みどころ
・アカデミー賞にて「視覚効果賞」を受賞した程に素晴らしい「エヴァ」の造形美
・エヴァとケイレブの、互いに惹かれあうドラマ性
・少ない登場人物で描かれる濃密なサスペンス

【ネタバレ無し】感想

エクスマキナは、「アレックスガーランドの初監督作」として話題になった作品ですが、僕は「アナイアレイション」という、アレックス監督2作品目で彼の監督レベルの高さを思い知りました。

そして彼は元々「脚本家」です。
本作の脚本も担当しているだけあり、物語の運びは非常に丁寧で、無理が無く、とても自然に展開が進みます
原作がない作品なので、恐らくアレックスオリジナルの構想なんでしょう。

そして、「AIと人間の関係」を描いたドラマ作品は、最近観た「TAU(2018)」や「ホンモノの気持ち」などのように、チープなC級作品に成り下がることも多いです。

しかし本作は前述の通り展開が丁寧なので、メジャーレベルのクオリティーを最後まで維持しています。

 

ビジュアル面も確かに素晴らしいのですが、本作は数年前に公開された映画であり、その事については他のブログ様でしっかりと説明されているので、ここでは割愛します。

トータルで良作です。

【ネタバレ有り】感想

※ここからネタバレを含みます。
 
 
 
 
本作は異様にシンプルな構成です。

軟禁されたAIに「チューリングテスト」を行うために「ケイレブ」が送り込まれる

AIの「エヴァ」は、ケイレブを騙し脱走を試みる

それが上手く行って終了。

間のドタバタ、サイドストーリーは極限まで端折られており、この大筋だけで物語が進みます。

「ドンデン返し」と呼べるほどでは無いですが、絶妙に後味の悪いラストでした。
でもそこが特に評価できるポイントです。

とりあえず、それぞれのポイントごとに感想をまとめます。

良い点:全体的なシュールな映像の連続

・無機質なネイサンの研究施設
・奇妙なAI達の存在
・時折登場するアウトドア風景

アウトドア風景は、時折箸休め的感じで登場しますが、その自然を感じる映像が我々に安らぎを与えてくれます。

 

序盤で、「ケイレブ(主人公)の部屋には窓が無い」という会話が繰り広げられますが、常に研究施設の映像ばかりを見せられる我々も、その”窓が無い部屋”に閉じ込められたような感覚となり、おかげでアウトドアのシーンに安心感を覚えました。

そして、アレックス監督は「28日後」という作品のコメンタリーで、「シュールレアリスム」について語っていました。

シュールレアリスムとは、作品のカテゴリーを表す美術用語です。

シュールレアリスムのイメージ
シュールレアリスムのイメージ

この手のちょっと不気味な画法(?)は、どこかで一度は観た事があると思います。

そして、他作品とは言え、アレックスがコメンタリーで「シュールレアスリム」という言葉を使っていたことから、「エクスマキナ」でも、脚本、ビジュアル、演技、どこかで「シュール」を表現していたのではと予想しています。

 

実際に本作は全体を通して「不安」「不思議」な感じが漂っていました。

そしてそれは、主人公のケイレブ以外、つまり「キョウコ」「ネイサン」「エヴァ」の3人が全員ともミステリアスだった事にも繋がっていたと思います。

少し悪い点:中盤で中だるみする

非常に面白い作品でしたが、少し淡々とし過ぎて、中盤で眠くなりました。

本作は「神学的」「哲学的」な側面を持っており、それらの原案(例えば聖書)と重なる部分があるなど、非常に深い意味を持った作品です。

しかしそれらはむしろ鑑賞後の考察で気付くべきことであり、鑑賞中は、画面の中に釘付けになれる作品が僕にとっての理想の映画です。

 

本作に深い意味、メッセージが含まれていることについては、僕は前評判で既に知ったうえでの鑑賞となり、確かにその部分についての「気付き」に関するカタルシスはありました。

内容的に「強烈なインパクト」を残すことが難しい作品ですが、もう少し、鑑賞中に惹きつけられたらなと思いました。

というわけで、次項から考察に入ります。

考察①ラストにて「エヴァ」は人間になったのか?

僕が本作で一番気になって、今も頭の中を巡っているのがコレです。

”エヴァは人間になったのか?”

ラストにて、ケイレブはエヴァと一緒に研究所を逃げ出す為に、施設のロックを全て解除します。
そしてケイレブを騙していたエヴァは、ケイレブを閉じ込めたまま、一人で施設を抜け出します。

ケイレブに「ここで待っていて」と言い、そのまま彼を置いてけぼりにするエヴァ
ケイレブに「ここで待っていて」と言い、そのまま置いてけぼりにするエヴァ
 

以前、エヴァが女の子らしい格好に着替える前に「目を閉じていて」と恥じらいながら言うシーンがあり、それもあって「ここで待っていて」のセリフに更に女性らしさが増して感じられました

そしてそのせいでケイレブは騙されました。

その後エヴァは、扉の向こうで叫ぶケイレブに見向きもせず、一人でエレベーターに乗り込み脱出します。

クライマックスはここで終わり。

さて、僕はここで「エヴァはどれだけ人間なのか?」が気になりました。

 

このシーンでのエヴァは、実験中(の演技)とは違い明らかに無表情で、機械的なふるまいをしていました。

しかし最後「ネイサンとキョウコが倒れている通路」を見ます。

ネイサンとキョウコが死んでいる
ネイサンとキョウコが死んでいる
エレベーターを待っている間、それを見るエヴァ
エレベーターを待っている間、それを見るエヴァ

映画のラストで、「今までの惨劇を”再確認(見る)”して、何も言わずそこを立ち去る」というシーンは本当に良くあります。
そしてそのシーンは、セリフが無くとも、どこか感慨深い感じがして僕は大好きです。

この通路は、先ほどエヴァ、キョウコ、ネイサンの3人でひと悶着あった場所なので、これをエヴァが見たことで、何かしらの処理が脳内で走ったはずです。

そして今度は、エヴァがエレベーターに乗り込んだ時の目線です。

ケイレブの「エヴァ!」という声にも動じず前を見るエヴァ・・・
ケイレブの「エヴァ!」という声にも動じず前を見続けるエヴァ・・・
しかし、ドアが閉まる直前で一瞬ケイレブの方を見る
しかし、ドアが閉まる直前で一瞬ケイレブの方を見る

表情から「罪悪感」や「申し訳なさ」を感じているようには見えません。
しかし、見ているという事は、何らかの興味を持っていることが伺えます。

何かのデータの収集でしょうか。
エヴァを生かしておくことで今後弊害が無いかなどの確認でしょうか。
「ざまぁみろ」という意味でしょうか。

分かりませんが、エヴァが本当に無感情なロボットであるならば、ここで目配せなどしないはず。
自分の中でまだ答えが出ておらず、未だに気になります。

考察②登場人物のその後

「ケイレブ」は、施設に閉じ込められました。

考えられる最悪のケースは「餓死」です。
このまま助けも来ず、純粋に飢えて死ぬパターン。

 

中盤で、ケイレブには家族や恋人がいないという事が明らかとなっているので、案外これは考えられます。

しかしもし、「ネイサンと音信不通になった」という事にブルーブック社が違和感を感じてくれたなら、数日以内にこの研究所に誰かが送り込まれ、ケイレブは生存中に発見されることでしょう。
そうなってほしい。

そして「エヴァ」ですが、エヴァは自由を満喫しています。
しかし、きっと周りからは「違和感だらけの女」として見られるのではと思っています。

エヴァは、「世界中の検索エンジンによる検索データ」が脳内に貯まっているようで、ケイレブやヘリパイロット(後述)を魅了する程の魅力を持っています。

だからしばらくは、そういう人たちに助けさせながら生きていけるでしょう。

しかし、ネイサンが開発したロボットはどれも「ひ弱」です。
まず、皮膚はえらく簡単に剥がれているように見えました。

恐らく、現実世界での日常生活では、しょっちゅう捲れる(めくれる)ことになるはずです。

そして更に、戦闘能力も皆無です。
ネイサンとの闘いにより、腕は簡単にもげました

また、エヴァの前の試作機では、「ここから出して!」と言わんばかりにドアをたたき続ける女性ロボットの腕が、叩く度に粉々になっていきました。

 

そしてキョウコの顎も簡単に破壊されましたね。

あの程度で破損が進むようじゃ、これもまた日常生活を送ることが難しいと言えます。

だから僕は、エヴァはつかの間の自由を体感し、すぐに回収されるのではと予想しています。

考察③ラスト、ヘリパイロットは何故エヴァを載せたのか?

エヴァは施設を出て、ヘリの着地地点へと向かいました。
ヘリパイロットは、本来「ケイレブ」を迎えに来たはずなので、エヴァを簡単に乗せるはずがありません。

ここで考えられるのが、「ヘリパイロットの殺害」です。

エヴァの頭には、ネット上のすべての情報が入っている(と思われる)ので、もしかしたらヘリの操縦も出来ます。
だからパイロットを殺して、自分で好きなところまで操縦して行ったのかもしれません。

しかし、我々が「車の仕組み」を全て知っていても、実際に運転をして、「ブレーキの実際の利き方」等を理解しないと運転できないように、ヘリの操縦法を知っているだけでは運転は出来ないはずです。

 

こういう部分に関しては、人間特有の「感覚値」や「クセ・コツの掴み方」が必要であり、エヴァのその「試し(人間と同じようにコツが掴めるか)」がいきなりヘリでは、いくらなんでも難易度が高過ぎます。

それに前述の通り、エヴァの戦闘能力は皆無です。

自然な流れで事が推移したとするなら、「ケイレブのように、ヘリパイロットも上手く騙した」と考える方が自然です。

考察④ネイサンは、エヴァとケイレブに恋愛感情を持たせたかった?

チューリングテスト(人間とAIを会話させ、AIだと気付かなかったらクリア)」にて、エヴァとケイレブに恋愛感情を持たせることが、ネイサンにとって一つのゴールだったように思えます。

・エヴァがケイレブに対して
・ケイレブがエヴァに対して
のどちらが目標なのか分かりませんが、少なくともネイサンは、ケイレブをそそのかしています

実際に検索データからケイレブのタイプを割り出し、それをエヴァに組み込んでいます。
更に、「彼女の股間には、センサーが集中した穴がある」とまで言っています。

明らかに、ケイレブがエヴァに対して恋愛感情を持つように仕向けています。

 

しかし、作中でネイサンを悪く見せる為だったと思いますが、ケイレブに「エヴァの記憶を破棄する」と言ったり、ちょっとケイレブへの反感を買う言動が多過ぎます。(そのせいでネイサンは死んだ)

ネイサンは意外とアホなのかもしれません。

評価・まとめ

75点

よくある「AIと人間とのヒューマンドラマ」を描くB級作品とは、一線を画す素晴らしい出来です。
アレックスガーランド監督の「シュールさ」も思う存分堪能できました。

「ラストしかインパクトが無かった」という点でちょっと点数を抑えましたが、十分お勧めできる作品です。



Trash Area(筆者のバンド)のオリジナル曲

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「臆病なのに幸福度で言えばたぶん福岡でTOP3に入る」と自負してます。また、病みやすいのを良いことにあんまり頑張らずに生きてます。
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