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【ブラックミラー】S4E1「宇宙船カリスター号」感想と考察(星4)

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ぱっかん
執筆者:ヘタレブロガーのぱっかん(@pakkan316

ネットフリックスで独占配信されている「ブラックミラー」。
シーズン4エピソード1「宇宙船カリスター号」のネタバレ感想記事です。

作品情報

原題USS Callister
上映時間76分
監督Toby Haynes(トビー・ヘインズ)
原作・脚本Charlie Brooker(チャーリー・ブルッカー)
William Bridges(ウィリアム・ブリッジズ)
キャスト Jesse Lon Plemons
Cristin Milioti
おバカさ★★☆☆☆
シリアス度★★☆☆☆
胸糞度★★★☆☆
理不尽度★★★★★
オチの爽快感★★★☆☆
総評★★★★☆(星4)
設定 意識を落とし込むVRゲームが世に浸透している。

あらすじ

大人気VRゲーム「インフィニティ」の開発者でありCTOのロバートは、会社でこっそり採取した社員のDNAを基に、そのデジタルクローンを作り上げる。

そのクローン達で構成された「宇宙船カリスター号」では、ロバートは圧倒的な力を持つ船長であり、独裁者となっていた。
現実世界ではどの社員からも馬鹿にされていたが、この「宇宙船カリスター号」の世界で彼らのクローンを屈服させることで、ロバートは憂さ晴らしをしているのだった。

※次項からネタバレを含みます。
 
 
 
 

ネタバレ感想

良い点:クローンたちの理不尽な状況

クローンと言っても、ゲーム内でしか存在できない「デジタルクローン」です。
しかもそのクローンは、元は本物の人間のDNAを採取して作られているため、当人の記憶を保持しています。

そんな状況でデジタルの世界に閉じ込められます。

しかも、彼らは死ねません。
死んでも、ロバートによって何度も復活させられるのです。

更に性器も奪われています。
ロバートがプログラムを書き換えたせいで、排泄等が出来なくなっているのです。

そんなデジタルクローンたちですが、元は人間です。
だからカリスター号内で初登場する瞬間は、自分をクローンであることや、ここが仮想現実であることを信じられずにいます。

また、他の乗組員はその世界に何年も閉じ込められているため、現実世界の情報を知り得ません。
その為、今回のように新人が入る度に「現実でどうなっているのか?」を知ることができます。

というように、「クローンとして生まれてしまった」だけでかなり理不尽です。
彼らの目指すものは、「死」であり、自分自身を消滅させるためにロバートに抗います。

良い点:因果応報を受けたロバート

最後、ロバートはゲームの世界に閉じ込められます。
恐らく、バーチャル世界で「ワームホール」と呼ばれていた「アップデートパッチ」からクローンたちが逃げ出したことでバグが生じ、ロバートが作り上げた世界が破綻したのでしょう。

ロバートは仮想現実から現実に戻ることが出来ず、崩れゆくゲームの世界に永遠に意識を投入することになりました。
悪人にふさわしい自業自得なラストです。

良い点:「無限の恐怖」を感じる・・・

「5億年ボタン」に近い恐怖を感じる話です。

クローンとして生まれてしまった以上、永遠に死ねず、そして何の快楽も得られず、誰かが作り上げただけの狭い世界でしか生きていけない・・・。
「無限」に恐怖を感じる人には中々きついものがあるエピソードでした。

ラストも、終わりゆく世界でロバートが一人取り残されるので、悪人にとって因果応報とは言え、少し胸が苦しくなります。

考察:コミカルに描かれているが、かなりダークな作品

「無限の恐怖」の延長線上ですが、ジョークを言い合ったり、モンスター化したキャラが入り口で頭をぶつけたりなど、登場人物たちはかなりすっとぼけています。

 

おかげで結構ライトな印象を受けますが、設定をリアルに考えるとかなりヘビーです。

彼らは生殖器を取り上げられているため、性の快楽はもちろん、排せつの快楽すら味わえません。
説明が無かったので分かりませんが、睡眠欲はあったのでしょうか。

お酒を飲むシーンはあったので、恐らく酔うことは出来たのでしょう。

クローンの一人が、机に頭を何度もぶつけ「癖になりそう」と言うシーンがあります。
クローンたちは一切の快楽が無いため、あのようにしないと刺激を得られないのです。
しかもたぶん、年も取れません、

もしあの世界観が実現したら、クローンたちは全員廃人となり、完全にうなだれてしまい、どんな罰を与えようともゲームとして成立しなくなるはずです。
本当はそれくらいヘビーな状況です。

更に地獄なのが、「自分の子供のクローン」を作られること・・・。
そのクローンはクローンとは言え、本物の息子の記憶を保持しているので、そもそも「その息子のクローンがこの世界に登場した」という事実だけで悪夢です。

それを父親クローンの目の前で殺すロバート・・・。
マジで鬼畜です。

考察:クローンたちは本当にハッピーエンドだったのか?

ラスト、ロバートが作り上げた宇宙から脱出し、「全世界と繋がるネット世界」へ飛び出しました。
一般ユーザーのいる世界で、自由に世界中のゲームを堪能することができます。

今までに無い自由を手に入れたクローンたちは歓喜し、エンドロールに入ります。

いかにもハッピーエンドみたいな終わり方でしたが、クローンの理不尽から逃れられたわけではありません。
そこが少し気分的に引っかかります。

ですが、ロバートの奴隷から解放され、自由にゲーム世界を堪能できるのですから、ある程度は楽しめると思います。

そしてある程度楽しんだら、いずれは自分の存在を消すという選択を取るでしょう。
元々は人間なので、やはりバーチャル世界に嫌気が差すと思うので。

イースターエッグ・メタ発言

・ロバートが「スペースフリート」という映画作品を紹介する際に「ネットフリックスでもやってる」と言っていた。

評価・まとめ

総評:★★★★☆(星4)

 

ロバートのオフィスや、自宅の近未来感も見ていて心地よく、ネットフリックスのハイテク描写のこだわりが感じられます。

最後にロバートに対して謝るジェームズにもグッと来た。
理不尽度は高くも、きっちりハッピーに終わりました。
ハッピーに終わったんですが、「無限」という恐怖と「クローン」という物悲しい存在がちらつくおかげで、胸の奥にどこか引っかかるタイプのお話でした。



Trash Area(筆者のバンド)のオリジナル曲

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「臆病なのに幸福度で言えばたぶん福岡でTOP3に入る」と自負してます。また、病みやすいのを良いことにあんまり頑張らずに生きてます。
幸せ。

「内省」という資質に優れており、それを活かした映画系の記事が得意。
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