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福本伸行先生の「零(ゼロ)」各ゲームの魅力とかを語る

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ぱっかん
執筆者:ヘタレブロガーのぱっかん(@pakkan316

「カイジ」や「アカギ」の作者であるあの福本伸行先生の作品「賭博覇王伝 零」がクソ面白いので、その魅力を語っていきます。

※当記事は
「零 魅力」
「零 面白さ」
「零 ギャンブル」
などのワードで検索される方におすすめです。

これから語る魅力の中には、もしかしたら「零」に限らず福本作品全てに言えることもあるかもしれませんが、それでもあまり下調べせずに勢いに任せて書きます。

※関連記事は記事の最後でまとめて紹介します

2018年7月15日追記:ドラマ化決定!

最近やたらこの記事のアクセスが増えてると思ったら、なんとドラマ化が決定してたみたいですね。
キャストにNEWSメンバーが多いので期待し辛い部分がありますが、外しさえしなければマジでなんでもいいです・・・。

あ、福本先生の公式コメントがちょっと面白い。

視聴者が、「あっ!?」と、
驚いてくれるかどうか…?、
いや、必ずや、そうなるはずです!

引用:福本伸行「賭博覇王伝 零」加藤シゲアキ主演でドラマ化、NEWSメンバーも出演(コメントあり) – コミックナタリー

これはたぶん考え過ぎだと思いますが、「驚いてくれるかどうか…?」という文章に、「ドラマ版は期待できない」という気持ちが込められてるような気がします。

とにかく僕は、NEWSメンバーの演技が(今のところ)特に好きではありませんが、「ドラマ版 零に関しては、奇跡的に全員の演技がキャラにピッタリハマる」という僅かな希望に託しています。

「賭博覇王伝 零」とは?

福本伸行の作風が色濃く出たギャンブル漫画である。ただし、少年漫画誌である『週刊少年マガジン』での連載と言う事もあり、暴力表現は(他の福本作品に比べれば)やや抑え気味になっている。前作である『無頼伝 涯』が打ち切りになった原因を、ストーリー展開に時間をかけすぎたためと分析した作者の考えから、ひとつのエピソードにかける話数が短くなっている。また、ギャンブルに至っても他の福本作品のギャンブルよりは謎解きの要素が強い。

引用:賭博覇王伝 零 – Wikipedia

作風の特徴としては、カイジやアカギで躊躇だった「引き伸ばし」があまり無いところです。
それでも引き伸ばしがあるにはありますし、特に続編である「零 ギャン鬼編」では恐ろしく話が進みませんが、それでもアカギなどの「連載10年間で作品内では一晩しか経ってない」というようなことはありません。

しかも零は多種多様なオリジナルギャンブルのオンパレードで、ひとつひとつがかなり面白いです。
やっぱりギャンブル漫画は「ギャンブル漫画」というジャンルであれど、オリジナルのゲームを用意して、その中で必殺の策を作り出すという展開が胸熱です。

 

零はまさに、それ系が好きな僕のような人にうってつけの漫画です。

「賭博覇王伝 零」のあらすじ

義賊として世間を騒がせた少年・宇海零とその仲間は、大富豪・在全無量が建設中のギャンブルと遊園地の融合施設「ドリームキングダム」に呼ばれる。在全が全財産を賭けて参加するギャンブルの代打ち、すなわち王を求めている為、零や他の者たちが集められたのだった。賞金1000億円で振り込め詐欺の被害者全てを救う為、王を目指して園内のギャンブルに挑戦する零だが、そこは生命を、精神を、肉体を賭ける究極のギャンブルばかりだった。

引用:賭博覇王伝 零 – Wikipedia

「ドリームキングダム」という遊園地みたいな施設があり、その中で繰り広げられるギャンブルゲームというかアトラクションを、知恵と知識を駆使してクリアしていくという内容です。

全てのゲームが「親と子」の戦いとなるため、カイジの「限定じゃんけん」のように、プレイヤー同士のつぶし合いはあまり見られません。

しかも「親」となる各アトラクションのゲームマスターは、ほぼ全員イカサマを使ってきます。
そのため、プレイヤー達はかなり理不尽な状況でのプレイとなるのですが、そのイカサマでゲームマスターは首を絞めます。
その辺りのカタルシスも零の魅力であり、ギャンブル漫画の王道的展開です。

零に登場するギャンブルが最高に面白い

零に登場するひとつひとつのオリジナルギャンブルが最高に個性的で面白い。
トリックやギミックもしっかりしており、逆転のカタルシスも半端ないものばかりです。

全部は紹介しきれませんが、記憶に残っているものをネタバレ込みで紹介していきます。

※ただし、「ザ・アンカー」というギャンブルは超面白いのでネタバレしていません。

登場ギャンブル①鉄球サークル

ドリームキングダムに入場するための入場試験ギャンブル。

主催者がサイコロを振り、目が出る前にサイコロに蓋をかぶせる。
さてこの目はいくつか?1~6番までサークルを用意しているので、どの目が出たか推測して、制限時間内にその番号のサークルの中に入りなさい。

全てのサークルの頭上に超重量の鉄球を用意しており、このサイコロが出した目以外の5つのサークルは、その鉄球が落ちてくる。
しかし、”サークルに入った”という勇気を免じて、サイコロの目を当てずともサークルに入りさえすれば入場券は与える。

 

つまり、サイコロの目以外のサークルに入っていたら、落ちてきた鉄球により死亡。(だけど”入場権利を得る”という皮肉)

このルール説明に対してプレイヤー達は、「ふざけるな!権利をもらっても鉄球食らって死ぬじゃねぇか!」と暴言を吐くが、補足的に言われたこの「サークルに入りさえすれば入場券を与える」こそ、このゲームの最大の肝でした。

結論を言うと、鉄球サークルは何も考えずにチャレンジするとただの運ゲーです。
しかし、ルール説明をしっかり聞き、抜かりなく観察していると、間違いなく生き残れる究極の頭脳ゲームです。

しかも、その為に「東大レベル」な知識は必要ありません。
しっかりと観察さえしていれば、本当に知恵だけで乗り越えられるところも凄く良かったです。

やはりこの手の「デスゲーム」まがいのギャンブルは、負けた時の代償やリスクも面白くないといけません。
今回の場合、「天井から鉄球が降ってきて圧死」というのがリスクです。

一度デモンストレーションで鉄球を落としますが、これもヒントの一つでした。
というのも、どんなに重い鉄球が落ちてきても、必ず”隙間”ができるからです。

鉄球サークルの肝はこの”隙間”で、サイコロの目はほぼ関係ないゲームでした。

サイコロの目など最初から関係なく、サークルに入って、そのフチにしゃがんでいれば鉄球の直撃はかわせます。
この事に気付くだけで良かったのです。

しかし、サークルは柵で囲まれています。
もし大多数の人間が同じサークル内にまとまって入ったら、隙間を確保する余裕がなくなり、全員が圧死します。
この辺りのユニークさ、ギミックも素晴らしいなと思いました。

実際このギャンブルは、主催者の工夫により、「1」番に人気が行くよう仕向けられていました。
どこまでも抜かりないゲームの運び方が、福本先生らしくて気持ち良いです。

登場ギャンブル②代償は指「ジャックルーム」

親は「指切りジャック」
このゲームで勝利したら手に入る「プレイヤーの指」をコレクションしている。

プレイヤーとジャックは1対1で自分の指をかけて戦う。
プレイヤーにはそれぞれ、指を保護するための「細長い12枚の鉄板」と、右か左どちらかの手をセットする「指入れ台」、そして勢いよく振り下ろすことで相手の指を切り落とせる「ノミ」が与えられる。
守備が指入れ台の中に手を入れ、攻撃側がそれをノミで突き指にヒットすれば勝利となりゲーム終了。

指入れ台の各指には鉄板がセットできるようになっています。
だからノミで突かれても、鉄板でガードしていれば指は切断されずに済みます。
全部で3ゲームあるのに鉄板は12枚しか使えません。
つまり、どこかで必ず指を晒さないといけません。
そして攻撃側は、その晒された指がどれかを推理するゲームです。

この”駆け引き”も面白いですね。

例えば1ラウンド目で鉄板を2枚しか使わず、もし奇跡的にそれを乗り越えれば残り10枚の鉄板で2ラウンド、つまり100%生き残れます。

 

しかしやはりバランスを考えると4枚ずつ使うのが現実的です。

零は初戦後攻で、鉄板を4枚使用しました。
しかし指切り上級者のジャックは、上手い具合にゆさぶりをかけます。

「裸の指は親指かな?薬指かな?」
「今後のことを考えると最初から親指を裸にする奴は少ない」
だとか、いろいろ言って零を惑わせてきます。

しかし零も究極の勝負師。
顔色ひとつ変えずにポーカーフェイスを貫きます。

この心理戦の中で一番好きなやり取りが、「ジャックが狙いを変える瞬間」です。
零がどの指を晒していたか忘れましたが、ジャックが「薬指が怪しいな」と言った時、確かに零は薬指(仮)を晒していました。

その後ジャックは「やっぱり薬指は違うな」と言って狙いを変えますが、この時凡人なら一瞬ホッとした表情を浮かべます。
そしてジャックも、その安心感を引き出す事のが狙いでした。

しかし零は顔色ひとつ変えずに、守備側というのに逆にジャックを翻弄し続けました。

この辺りの心理戦、駆け引きの面白さもジャックルームの魅力ですが、実はこのゲームの勝利条件は全く別のところにあり、それは「ジャックのイカサマを見抜くこと」でした。

零は最初から、指を晒すというリスクを冒す必要は無かったのです。
そして零の「イカサマの暴き方」もかなりユニークでした。

それはちょっとここで説明する体力は無いのですが、「鉄板の縦入れ」という意外な方法で零はイカサマを確実に見抜きます。

この「鉄板の縦入れ」というアナログで簡単な方法で大逆転する展開が大好きなんです。

登場ギャンブル④算数が生きる「迷宮のトライアングル」

 

数学的な知識が必要となるギャンブルです。

3人グループを「三角形の形をした部屋」に閉じ込め、ランダムに選ばれた一人を拘束。
そして拘束された人は筒状の水槽に閉じ込められ、そこに水が貯まっていく。

その水が鼻の位置まで溜まり、”水槽役”の人が溺死するまでが実質的なタイムリミット。

それまでに、残りの二人(もしくは水槽役含め3人)で、ある難問に回答すればクリア。

同条件のグループが複数あり、全てのグループに同じ問題が出されています。
そしてどれか一つのグループでも問題をクリアしたら、水槽は解放。溺死は免れます。
しかし、リングをもらえるのは正解したチームのみ。

だから複数の3人グループというのはそれぞれ、味方でありライバルでもある。

問題は、
「部屋は全て同じ。君達は何・・・?」
というもの。

そして50個ある選択肢の中から1つ選び、専用の機械を使って回答する。
間違った答えを送信した時点でそのチームは解答権を失う。
解答権を失ったチームは当然リングを手に入れることはできず、水槽役の生存の為に、他チームの正解を祈るしかない。

問題の意味や、零が答えに辿り着くまでのプロセスはここでは(長過ぎて)書けませんが、基本的な算数の知識が必要でした。

・「°A」のマークの意味に気付く(記号で表現しづらいが、三角形内角の”角度を求めよ”を表す)

・内角の角度等から「二等辺三角形」であることを証明するスキル

「部屋は全て同じ。君達は何・・・?」
という問題から、部屋の形状である「三角形」に疑問を持つところがまず凡人には難しいですが、登場人物のほとんどがそこまでは辿り着きます。

そして壁(辺)の長さを図り、そこから「ここは二等辺三角形だ」と気付くのですが、今度は零を含むほぼ全てのチームが、
「で?だから何?」
という状況になります。

そして結局時間が迫り、ほとんどのチームが自信が無いままに適当に解答。
しかし当然不正解。他のチームに託します。

零のチームは解答権を最後まで残していました。
ちなみに既に水槽役の人は溺死しかけています。

「仲間の一人が死のうとしてる」
という状況下でも冷静に計算し、早とちりせず問題と向き合い、確実な回答を編み出す。

 

いざという時に、感情を切り離し冷静な判断をくだせる人じゃないと、絶対にクリアできないギャンブルでした。

登場ギャンブル④生存率25%「クォータージャンプ」

「早く結末を見たい」という在全の計らいにより、標(しるべ)と零の一騎打ちが実現。
そのギャンブルがこの「クォータージャンプ」でした。

とりあえずクォータージャンプの流れを説明してみます。

①プレイヤーは目隠し状態で、係員誘導のもとステージへ入場

②入場後、10秒だけ目隠しを外し、周りを見渡し状況を把握できる

③10秒経過後、また目隠しを装着し、ステージが回転する(プレイヤーの平衡感覚を奪う)

④ステージの回転が終了後、目隠しをしたままゲームスタート

 
ステージの形状説明ですが、プレイヤーは正方形の土台の上に立ってます。
ステージの形状はこの写真が分かりやすい。

実写ドラマ「ゼロ 一攫千金ゲーム」でのクォータージャンプのセット
実写ドラマ「ゼロ 一攫千金ゲーム」でのクォータージャンプのセット

漫画版よりだいぶスケールが小さいですが、形状は全く同じです。
4面のうち3面は壁がそびえ立っており、1面だけ壁がありません。
壁が無いセーフゾーンで、プレイヤーがそこへ飛び込めばクリアです。

もし間違えてアウトゾーンに飛び込んだら、壁にぶつかりそのまま落下。
原作では、高さ数十メートルという設定だったので、間違えたら即死・・・。

正解率は四分の一。だから”クォーター”ジャンプというタイトルです。

プレイヤーは目隠しをしているので、当然どこがセーフか分かりません。

しかし、4面全てに誰かしらが存在するため、プレイヤーは彼らのアドバイスを聞くことができます。
そしてそれらのアドバイスを基に、プレイヤーはセーフゾーンを絞り込んでいくことができます。

ただ、そのアドバイスが正しいとは限りません。というか壁側の人たちは「自分の方へ飛び込ませよう」とほぼ間違いなく嘘をつきます

 

というのも、壁側の人たちもそれぞれプレイヤーであり、「メインのプレイヤーを自分の方へ飛ばせたら勝ち」という勝利条件がある為です。

だから壁役は、自分がアウトゾーンに居ようとセーフゾーンに居ようと、「こっちは安全だから飛べ」とメインプレイヤーを誘導してきます。

というわけでクォータージャンプは究極の心理戦です。
誰が嘘を付いているかを見抜く必要があります。

結論から言うと、零は心理戦でクリアし、標は”視覚情報”でクリアしました。
クリアまでのプロセスは零の方が圧倒的に面白かったですが、標のクリア方法は完璧で最もスマートなものでした。

「零のやり取り」も「標の発想」も、文字に起こすと膨大な量となってしまうので書けませんが、非常に面白い内容です。

登場ギャンブル⑤21人で参加するゲーム「魔女の館」

集団心理をうまく表現したアトラクション。
ほんと、福本先生は心理描写の描き方が上手いです。

このゲームの好きなシーンは、まだゲームを開始する前に板倉が零に気を遣うところです。

魔女の館は独特なフィールド形状をしており、移動式の階段を昇り天窓を開けそこから入室します。
まず最初に「俺が行く」と零が入場し、その後立て続けにすぐさまモブキャラが階段を昇ろうとします。

しかしここで頭のキレる板倉が、「一人ずつ昇れ」とモブキャラに指示を出します。
アホなモブキャラは「なんで??」と言い「階段が揺れて危ねぇだろ!」と板倉が説明。
しかしモブは「いや、これ結構頑丈だよ?」と不思議そうに言い、ここで初めて板倉が本当の意味を言います。

「一人ずつゆっくり昇ればいいんだよ!そうすりゃ零の時間が増えるだろ!」

板倉や零は、ドリームキングダム内のギャンブルがいかに極悪か熟知しています。
そして今回、21人で参加するこのゲームの鍵が「零の頭脳」にあることも板倉は知っています。
零が一番最初にフィールドインしたのは、現場に誰よりも早く入ることで、ゲーム開始前に現場を観察するためです。
そして階段を1人ずつゆっくり昇ることで、「零が観察し推理する時間」が増えると判断しました。
これにより、若干ではありますがこちら側が有利になります。

 

こういう”頭脳派脇役の気遣い”がちょくちょく挟まれるのが作品としての零の魅力です。

登場ギャンブル⑥正統派大逆転「ザ・アンカー」

「ザ・アンカー」の逆転劇は、数あるギャンブル漫画のギャンブル(ゲーム)の中でも、恐らくTOP3に入る出来だと思います。
だからネタバレは控えます。

この衝撃は実物でご体感ください。

ザ・アンカーは、ゲームが始まるまでのプロセスも熱いです。

零は「もう誰も巻き込みたくない」と考え、チームで参加するギャンブルは避けていました。
しかしゲームも終盤。そもそも参加できるギャンブル自体が少ないという状況です。

そこで脇役のおっさんが零に「まだ空いてる良いステージを見つけた」と紹介。
それがザ・アンカーです。

アンカーは3人で参加するゲームだった為、零は「悪いがやめておく」と断ります。
おっさんはもちろん「一人で参加したいんだろ!でももう他に空いてるゲームはねぇ!」と一蹴。
(零が理由を言ってないのに、おっさんが”零が単独でチャレンジしたがってる”と見抜くところも良い)

そして零は「巻き込めない」と宣言します。
これに対しておっさんが、

「何が巻き込めないだ!俺たちは自ら巻き込まれてんだよ!」
と語ります。

このおっさんのセリフが熱すぎてマジで好きです・・・。

おっさんは最初はアホキャラでしたが、他のザコキャラとは違い、零の活かし方や、ドリームキングダムでの生き残り方を心得ていました。
そんなおっさんは、零の頭脳には心酔しています。
おっさんは「自分だけの力でリングを獲るのは不可能」と察し、零に付いていくことを決めたのです。

ザ・アンカーのプレイ中も、おっさんは割と活躍します。
活躍せずとも、心に響くセリフを結構残します。

ザ・アンカーは、零によるロジカルな逆転劇も確かに見ものですが、零と一緒に勝負に挑む、脇役たちとの共闘も見ものです。

登場ギャンブル⑦低難易度の宝探し「失われたリング」

 

ランダムに決められたステージ内での宝探し。

リングを1つでも見つけられたらクリア。
リングはステージ内に最大3個隠されており、1つも発見できなければノットクリアとなる。
でも負けたからと言って手痛い代償は特になく、故に人気のギャンブルで、常に行列が出来ていました。

零が最後にチャレンジするギャンブルなのですが、それまでこのギャンブルは
「ほとんどのプレイヤーがリングを発見していない。発見できても1個程度で、3個見つけたプレイヤーは一人もいない。」
という状況でした。

そして零は、このステージでリングを3個発見した唯一のプレイヤーとなります。
ちなみに3個とも、まとまった場所に隠されていました。

このギャンブルのヒントは、「黒服の説明」にあります。

ルールを黒服が説明する際、「リングは今、確かにこの部屋にある」と言います。
続いて手順等を説明するのですが、とにかくこの「リングは今」というワードが大ヒントです。

つまりこの説明が終わり、黒服が立ち去ったらリングは消えてなくなる。
かと言って、「実は黒服が持っていました」という設定では、”宝探し”でも何でも無い。

実はリングは、「ドアノブの中」に仕込まれていました。
それもステージ外側のドアノブなので、ドアを閉められたら永久に見つけられません。

黒服が「リングは今、確かにこの部屋にある」と説明している間は、ドアが開けっぱなしである為、間違いなく”ステージの中”に入り込んでいます。
しかし、ゲームスタートと同時に黒服がステージ外へ出てドアを閉めてしまうため、リングは”ステージの外”へ出たことになります。

黒服曰く、「このギャンブルで言う”宝探し”とは、言葉の中にある宝を見つけることだ」とのこと。

以上が「失われたリング」の内容でしたが、実は「零がこのギャンブルを始めるまで」のプロセスも最高に面白いです。
最初に説明した通り、失われたリングは人気ギャンブルの為、常に行列が出来ていました。

しかも残り時間が僅かだった為、何人並んでいたとしても「次の人でラスト」という状況。
だから零は、その「最後のプレイヤー」に譲ってもらわないと参加できませんでした。

零がどうやってここに割り込んだのか?
ここも見どころでした。

福本伸行先生の「零」の魅力と面白さ:まとめ

ユニークなオリジナルギャンブルが数多く登場する「賭博覇王伝 零」。
僕はギャンブル漫画に「面白いオリジナルギャンブル」を求めていますので、それが大量に出てくる零は本当に好きです。
そしてこの手のギャンブルは、まず作者の頭が良くないとできません。

ライアーゲームもオリジナルゲームがたくさん登場するので大好きですが、最近(そこまで最近じゃない)では「アクマゲーム」という作品がかなり面白いです。

しかしライアーゲームもアクマゲームもどちらもライトな作風で、零のような重苦しい心理描写、負けた時のリスクのユニークさはありません。

 

ギャンブル漫画はやはり以下の3点が大事です。

①ユニークなオリジナルギャンブル

②負けた時の代償のユニークさ

③ちゃんと伏線を残しつつ、それでも読者に読まれない必勝法の存在

 
①の「ユニークなオリジナルギャンブル」は言葉通りです。
既存のゲームで”常識の範囲外の行動”を取ることは難しいので、シンプルで分かりやすいオリジナルギャンブルを登場させる必要があります。

②の「負けた時の代償」も、ただ借金を背負うとか、死ぬとかだけじゃない方が面白いですね。
零の場合、「迷宮のトライアングル」というゲーム内で、仲間の一人が円柱状の水槽の中で括りつけられ、「溺死」という形で死にます。
これは、「負けたら仲間が死ぬ」というだけでなく、その仲間がだんだん取り乱しパニックになっていくという状況を作り出すことにも成功しており、「ただ死ぬ」ということに比べ、ゲームの残虐性が増しています。

③の「必勝法」も言葉通りです。
ギャンブル漫画に限らずどの作品でも、「その手があったのか!」という予想外の行動に読者は心を奪われます。

賭博覇王伝 零には、ギャンブル漫画の魅力がしっかりと詰まっていますので、カイジやアカギのような重苦しいギャンブル漫画を求めている方、そして、「嘘食い」や「賭けグルイ」のような、急展開でほとんどカタルシスを得られない勘違いしたギャンブル漫画に飽き飽きした方には本当におすすめです。



Trash Area(筆者のバンド)のオリジナル曲

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